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キトラ古墳の
壁画複製

陶板(toban)の耐久性とたぐいまれな表現力。
文化庁から依頼を受けた一大プロジェクト。

日本人なら誰もが知っている「キトラ古墳壁画」。奈良県明日香村で発掘された石室の天井・側壁には天文図や四神、十二支の獣頭人身像などが描かれています。7~8世紀の初頭に作られたとされる大変貴重な文化財ですが、発見当時すでに激しい劣化があり、壁画が剥落の危機にさらされていたため、緊急的に壁画を取り外し保存・修理がなされました。

文化庁は、貴重な文化財の発見当時の姿を「カタチ」にして実寸で未来に伝えるため、複製を制作することに決めましたが、その複製の方法として白羽の矢が立ったのが、3000年色褪せないといわれる高い耐久性を持ち、さらに忠実な再現力も兼ね備えた大塚オーミ陶業の陶板(toban)でした。これまでにも、大塚国際美術館で披露した絵画・壁画等、数々の作品制作で実績を積み重ねていたましたが、求められる完成度がこれまでとは違うという点で、大塚オーミ陶業の新たな挑戦が始まったのでした。

3万枚の画像データ資料。
専門家とのディスカッションを重ねてリアルさをとことん追求。

複製の制作がスタートしますが、文化庁から資料として支給された画像データはなんと約3万枚。陶板と実物の壁画を並べて比較検証もし、何度も試作を繰り返しました。画像データでは分からない生々しい状態を知るために、文化庁より任命された複製品製作委員の専門家や、実際に壁画の取り外し業務に携わった方々への聞き取りを重ねました。

発見当時の壁面細部の剥離や、石室に侵入した植物の根、他面よりも水分量が多く変色した天井の色合いなど、専門家の方々とのミーティングを繰り返し、高い完成度を追求しました。
当社の信楽ショールームでは、当時の熱心なやり取りがうかがえる、さまざまな試作品もご覧いただくことができます。

熟練の職人が手仕事で仕上げる
微妙な色味や、壁面独特の豊かな表情。

キトラ古墳壁画の表面は、場所によってその表情ががらりと変わります。ベースとなる化粧土の粒子の大きさを調節し、微妙な表情の変化を再現。また、ナイフやヘラを用いて丁寧に少しずつ表面の凹凸や、壁画の下絵となる刻線を刻みました。制作時には常にライトを使い、当時の写真に写る影と見比べながら凹凸の具合を一致させるようにしました。

支給された画像データについては、色を解析します。その色を焼き物用の絵の具に置き換え陶板に転写することで、データと同じ図像を陶板に移します。焼きものの特長の一つとして、焼く前と焼きあげた後では発色が違うという点がありますが、長年の経験と感覚を頼りに焼きあがりを想像し、職人が何度も色を重ねては焼くを繰り返して実物に近づけていきました。大塚オーミ陶業の陶板(toban)は熱に非常に強く、色を重ねるために何度も焼くことができ、より忠実な色調再現を可能にします。

本物と見間違う完成度に高い評価。
これからの文化財の記録保存や活用のスタンダードへ。

こうして幾多の苦労を乗り越えて2010年に完成させたキトラ古墳壁画の複製。専門家からは「当時の石室内の状況が思い浮かぶようだ」、「安易に移動できない文化財の記録保存として大きな可能性を持っている。」などと高い評価を得ました。2013年に石室は埋め戻されたため、キトラ古墳の壁画がはぎ取られる前の石室空間の姿は、今ではもう陶板(toban)による複製でしか見ることはできません。

仮に、原物の石室が公開されていたとしても、それに立ち入り触れることはできないでしょう。陶板(toban)の複製なら、石室の中に入りこみ、空間の大きさを体感したり、しっくいのふくれ上がった様子や十二支の絵の線のわずかな凹凸まで触れて感じることができます。
これまで、日本各地で陶によるキトラ古墳壁画の複製が展示されてきました。貴重な文化財だからこそ、ガラスケースの中に置いて眺めるだけでなく、肌で触れて知ってもらえることにも大きな意味が生まれるのではないでしょうか。

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